講習会レポート

2020年11月
貯水槽清掃作業従事者研修(自宅学習)

通常ならば毎年11月頃に実施している貯水槽清掃作業従事者研修でしたが、昨年5月に厚生労働省より「新型コロナウィルス感染症対策を踏まえた建築物における衛生的環境の確保に関する事業の登録に係る監督者講習等の実施について」の事務連絡があり、今年度の従事者研修は自宅学習での開催となりました。

「自宅学習=レポート提出」という今まで実施したことのない初めての開催形式になりましたので、受講者数の減少等々懸念されましたが、去年に近い99名の受講者に参加して頂けたのは嬉しいかぎりです。

貯水槽清掃作業従事者研修
講師による修了審査会の様子

我々講師の方も通常のカリキュラムを一部変更し、要点をまとめたテキストに変えて受講生に分かりやすく、レポート提出しやすいカリキュラムに変更しました。

本来ならば従事者研修は普段、作業に従事している方々を対象にしている講習会であり、テキスト内容に加えて関係法令改正に伴う現場での判断基準の変更事例、現場でのKY事例、テキストには記載されない現場での対応方法など、通常と違う話をするのが我々講師の役目なのですが、今回は自宅学習なので要点をいかに分かりやすく伝えるかという事に重点を置いたテキスト編成になりました。

ただ、嬉しい誤算も一つありました。それは自宅学習期間中に受講生の皆様からの質問が非常に多かったことです。通常の講習会ならば最後に質問の時間を設けるのですが、なかなか質問がないのが現状です。今回の自宅学習にしたことにより、作業されている受講者の皆様が普段聞けない現場での質問・疑問が多かった事、それと同時に普段の講習会においても、もっと分かりやすい講習に務めなければと自覚させられる部分もあり、我々講師にとっても勉強となりました。

貯水槽清掃作業は人が生きていく上で欠かせない飲料水(ライフライン)を守る社会的使命を持った重要な作業です。

自宅学習になりましたが、多くの受講者の皆様がその重要性を再認識して頂く事により、安心・安全な飲料水の供給に大きく寄与するものと確信しております。 

最後に今回の開催にあたりまして自宅学習に伴う受講生へのテキスト送付・回収・採点作業等々、従来とは違う形式での開催に尽力して頂きました事務局の皆様方に厚く御礼申し上げます。

【公益社団法人 全国建築物飲料水管理協会派遣講師 横井 学(東名サニタリー株式会社)】

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